2016年04月13日

任意代理と委任契約の相違点

委任契約とは、他人に契約などの法律行為をしてもらうことを委託する契約(民法643条)です。
委託する人を「委任者」、委託される人を「受任者」と言います。

ところで、このように、他人に法律行為を代わってやってもらうものとして、
皆さんとは既に「任意代理」を学習済みですね。
そこで、
「委任」と「代理」はどう違い、両者はどのような関係にあるのかを整理してみます。

まず、「代理」はA・B・Cの三者間の関係を規律するものです(テキストP20図 参照)。
つまり、代理人Bが本人Aのためにすることを示して、代理権の範囲内で、
相手方Cとの間で代理行為をなし、その法律効果が直接AC間に及びます。

これに対し、「委任」は、AB間の関係だけを規律するものであり、
受任者Bが委任者Aのために法律行為をする義務を、Aに対して負うというだけです。
受任者の相手方が委任者Aとどのような関係になるのかということは、
委任契約の射程範囲内には当然には入っていないのです。

従って、 「委任」と「代理」は異なるもの であり、受任者が必ずしも代理人になるわけではなく
(受任者が代理人になるには、委任契約とは別に、代理権授与が必要であるというのが多数説)、
また、事務処理も必ずしも委任者の名を示してするわけではありません。

しかし、両者が極めて深い関係にあるのは事実であり、法律行為を委任する場合には、
事務処理の便宜上、代理権を授与するのが一般的です。
従って、委任者が代理でいう「本人」、受任者が「代理人」になることが実務上は多いと言えます。

以上ですが、本試験対策上は、その出題が「代理」の知識を問うているのか、
「委任契約」の知識を問うているのかは、一見してわかりますので、
本試験対策として、過度に神経を使う必要はありません。


  


Posted by 久保 剛(くぼ たけし) at 08:50補講